菜の花で知られるカラシナは葉も根も食べられる。

菜の花で知られるカラシナは葉も根も食べられる。

カラシナの花が菜の花であることは皆も知っているだろう。

何故カラシナと呼ばれるかと言えば種子があの黄色い辛子の原料になるから。

多分。

マスタードを作る人も多いが、春の菜の花をもぎに来るおばちゃんが多い。

稀に縄張りを持ち、ここのはとっちゃいかんと言ってくるクソバ○アもいるので注意だが、河川敷ならばほとんど問題ない。

菜の花を7つ集めるとブロッコリーになるが、味はイタリアのチーマ・ディ・ラーパ(ターニップトップ)に近い。

ラーパ、ターニップはカブのことだが、欧州では貧乏人の食べ物のイメージがあるようで、根を食すカブよりも蕾を利用する品種が発展している。

特にブロッコレットなどと呼ばれるものは小ぶりなブロッコリーのような蕾がつく。

なぜならカラシナの起源となった種は半分がカブと同種のラパ種(Brassica rapa)、もう片方は本来のマスタードの原料にもなるクロガラシ(Brassica nigra)なので、チーマ・ディ・ラーパがカラシナである菜の花に似るのもうなずける。

ちなみにラパ種にはカブ、小松菜、ハクサイ、水菜などがあるが、どれも交雑は可能である。

ただ水菜とカブのハイブリッドが小粋菜という名前で販売されているが根の味は評判が悪い。

カブと小松菜のハイブリッドは葉が小松菜の個体と、カブの葉のように苦味がある個体が出た。

根は肥大するが、小粋菜で言われるような味が薄いということはない。

カブとちぢみ小松菜は葉の色が濃緑で肉厚になるがちぢみにならない。

根は肥大するが丸くは肥大しない。

味は小松菜ハイブリッドほどはないがそれほど違いはない。

カブに近い野菜にルタバガというものがあるが、見た目は巨大なカブなのに根の肉が黄色くジャガイモのような味わいである。

葉にブルームがある点と、葉が食えなくはないがカブよりも味が悪いのがカブとの違い。

Brassica napobrassicaという植物でラパ種ともクロガラシともまた別種、4倍体であるとも言われる。

カブとルタバガのハイブリッドも作れるが、なぜだかラディッシュサイズになる。

何かしらの理由があるのだろうが、奇妙なのは問題なく種子が出来ることだ。

小ぶりなのは変わらないが、次世代ではルタバガの特徴である葉のブルームは消え、幾分カブの特徴が現れる。

本来ルタバガが4倍体であれば不稔になるはずだが、ルタバガも品種によって倍数性の違いがある可能性がある。

バイオテクノロジーで生まれたキャベツとハクサイのハイブリッドにキャベサイ、ハクランなどと呼ばれるものがあるが

キャベツはBrassica oleracea種で、より遠い種であるため通常の交配でハイブリッドをつくるのは困難だ。

ただ、キャベツとハクサイのハイブリッドであれば、ハクサイがラパ種であるためラパ種とのハイブリッドは作れるのではないだろうか?

そうして生まれたカブとハクランのハイブリッドは小苗はキャベツに近いが、大きくなると少し様子が変わる。

尋常じゃないほど花を咲かせ、種子も得たが無くしたのでまた作る予定。

さらに、実験的にキャベツと同種のBrassica oleraceaから違いがわかりやすいブロッコリーやカリフラワーをハクランに交配したい。

ちなみにハクラン(キャベサイ)には2系統あり、種子が出来ないタイプと出来るタイプがあるので注意だ。

そう、そんなこんなでカブは菜の花であるカラシナに近い植物であり菜の花であるカラシナはカブに近い植物なのだ。

人間で言えばキムタクがラパ種で工藤静香がクロガラシであり

カラシナはCocomiかKokiだ。

なんか違う気もするがまぁそんな感じ。

菜の花であるカラシナは実は葉にも菜の花の味わいや香りがあり、なんならほぼ菜の花と変わらない味である。

ただ、味噌汁やおひたしにするとホウレン草に近いクセのない味わいになるのが面白い。

高菜はカラシナの変種だが、カラシナ自身も沖縄ではシマナー(島菜)と呼ばれ漬物に利用される。

カラシナは紀元前に渡来した帰化種とも言われるので、日本でも古代から広く利用されて来たのだろう。

カラシナの保存でオススメなのは、葉を刻み、多めのガーリックオイル、塩、出汁(ヒュメor鰹だし)で味付けして瓶詰めして保存することだ。

パスタや魚介の付け合せに使いたいときに使える。瓶詰めが使い切れなかったら2週間ほどで冷凍をオススメする。

ただ、オイルにきちんと浸かっていれば冷蔵庫で2年は持つ。

冷凍する前には一度加熱殺菌して、粗熱がとれたら小分けにすると良いだろう。

カラシナは前述したとおり親がカブと同種であり、肥大する根も食用になる。

もしかすると古き時代に栽培されしカブより遺伝子伝搬されて根が肥大するようになったのかもしれないが、地域差も激しく、葉の形状にも様々な形態があるため確認するのは困難だろう。

根が桃色の個体が散見されるが、色よりも硬さが重要である。

根が肥大しつつもガチガチに硬いものがあり、それは包丁が通らないので食用にならない。

包丁がスッと通るものは食用になる。

ただし、葉や蕾の数倍の菜の花の香りと辛味があるため、刻んで一度茹でこぼしてから利用するのが良い。

調理方法はきんぴら1択だ、他は認めん。

菜の花の香りにほのかな苦味がきんぴらに絶妙に合う。

きんぴらのためにあるような根である。

きんぴら大根と名付けたい、きんぴら野カブでもいい。

まぁ、菜の花に合わせて菜の根でもいいや。

ただ、生の根をすりおろして大根おろしのように薬味に利用する人もいるようだ。

それはちょっと気になりますね。

ということで、カラシナは菜の花である蕾から辛子である種子、無駄に茂る葉、肥大する根まで全草が食用になる素晴らしい野草である。

この野草であれば雑草を食べることが凄いと思っているにわかサバイバルかぶれのYou Tuberからガチな野食ハンターまで皆が楽しめるだろう。

主婦も好きか。

万が一収入がゼロになったりしたら心強い味方になるだろうから、学校とかでも教えた方がいいと思うよ。

先生からは以上です。

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