日本のトリュフ、イボセイヨウショウロのタピオカ培養などの話し。

日本のトリュフ、イボセイヨウショウロのタピオカ培養などの話し。

キノコの話しをすると細かい方々はキノコにハッキリとした同定は出来ないという。

つまりイボセイヨウショウロ

ではなくイボセイヨウショウロ(広義)と書く必要があるということだ。

確かにイボセイヨウショウロの中には80g近いものから5グラムほどのものもある。

そして数十メートル離れただけで若干香りの質が異なる場合もある。

まぁ前者は生育が開始した時期の違い、後者は熟成に関わった菌の違いなども考えられる。

それというものの、イボセイヨウショウロは1年中発見自体は可能なのだ。

おそらくだが気温が低くなると休眠し、春に生育を再開して小さいものは7月末〜8月に熟し、大きいものは9月〜11月に熟す。

販売されているシメジなどには成長しきれず小さいままのものも一緒についているが、トリュフの場合地上に出て香りを発していれば小さくともそれ以上大きくなることはない。

見た目での見分け方は、未熟な場合には茶褐色であり、完熟していれば香りがある。

茶褐色で香りが無いものはしばらく置いておき、完熟して香りがあり黒いものを収穫するのが良い。

トリュフの香りが発生するには多くの他の菌による作用が必要とされるという、

イボセイヨウショウロも香りが少し出ているイボセイヨウショウロは熟成で香りが立つが、香りが全く出ていないイボセイヨウショウロは熟成しない。

これは他のトリュフも同様だろう。

実際タピオカでイボセイヨウショウロやトリュフを培養すると赤い菌や褐色の菌、そしてケカビなどが発生する。

画像にあるような毛羽立った菌糸がトリュフの仲間の特徴であり、若干トリコデルマなどの雑菌に似るので注意。

もし雑菌が発生したらキノコの菌糸だけを見極め、新しい培地に移せば問題ない。

   

何度か繰り返せば純粋に培養が可能になるだろう。

イボセイヨウショウロは5回繰り返している。

注意としては、ケカビの菌糸は長いため一度発生すると取り除きにくい、最初に1〜2本のケカビの菌糸が発生した時点で取り除かなければ、

二日後には数十本に増殖する。

トリコデルマもよくない、よくクワガタの菌糸瓶やキノコ栽培跡のキノコのカスなどによく発生する緑カビのことだ。

まず白く粉を吹いたように発生→緑色の胞子を出し始める→旺盛になるとある程度塊になり綿菓子のような菌糸になり全体に広がり緑色の胞子を出す。

オガ培地やありとあらゆるところで発生するやっかいな雑菌である。

使用器具の殺菌が足りないとタピオカの場合は外側から分解されるのがわかるが、他の培地では分からないかもしれない。

この点でもタピオカは有利と言えるだろう。

タピオカはデンプンそのものであるため、デンプン以上に複雑なセルロースやリグニンを分解するシイタケやエノキ、ヒラタケなどの腐生菌から

デンプンを利用するタイプのポルチーニなどの菌根菌に利用できる。

トリュフの仲間はデンプンは少し分解するが、糖や葉酸、ミネラルなどがないと生育が非常に遅いため、それらの添加が必要。

イボセイヨウショウロやトリュフを保存のため米に入れることがよく知られているが、湿度が高いと白いモヤのような菌糸が出る。

これはトリュフ自体の菌糸であり、米のデンプンを分解しているのだろう。

寒天培地やタピオカで純粋培養した菌なら米による培養も可能だろう。

オガでも糖を添加すれば遅いが成長自体はするため、リグニンやセルロースも多少は分解できる可能性もある。

菌根菌は元々普通のキノコが進化し、生きた植物から栄誉を得るようになったものらしいので、イボセイヨウショウロも地下に潜る前の分解能力をある程度持っていても不思議はない。

イボセイヨウショウロは他のトリュフなどに比べると菌床と呼べるほど菌糸が蔓延しないが、上部から突起が現れたため、他のトリュフと異なり上部から子実体を発生しやすいことがわかる。

他のトリュフは側面から発生しやすいため、イボセイヨウショウロより子実体が深く潜っているのだろう。

犬かブタじゃないとわからんわけだ。

国内にも白トリュフタイプのトリュフがあるため、探してはいるが

動く白トリュフしか見つけたことはない。

いずれ見つけたら培養したいものだ。

とはいえイボセイヨウショウロもトリュフはトリュフ。

中にはイボセイヨウショウロは香りが薄いなどと書かれているサイトがあるが、

香りが立ったものは販売されている黒トリュフオイルと変わらないクオリティの強烈なトリュフの香りがある。

ただ、イボセイヨウショウロはトリュフ塩にすると何故か香りが消え、トリュフオイルでは素晴らしいトリュフの香りがする。

加工するならトリュフオイルがベストだろう。

キノコのパスタでも黒トリュフと遜色なく利用できる。

ただ、加熱で香りは飛びやすいため最小限の加熱にするか、生でスライスが良いだろう。

リゾットにも良いが、ポルチーニを入れすぎると香りが喧嘩するため、ポルチーニは生で換算して10〜20グラムが良い。

仕上げにイボセイヨウショウロオイルをかけると絶品である。

だがしかし

一番好きなのは卵かけご飯。

生卵、イボセイヨウショウロ、イボセイヨウショウロオイル、味の素、塩だ。

もしイボセイヨウショウロが無かったら大変残念な話しだが市販の白トリュフや黒トリュフで代用できる。

未熟なイボセイヨウショウロの熟成について、色々試したが、やはり野外で完熟したイボセイヨウショウロの香りにまさるものはない。

ただ、バターを絡めたものはバターに香りが移り、イボセイヨウショウロには香りが出なかった。

不思議だ。

オイルに漬けたもの、酒に漬けたものは熟成せず柔らかくなるだけ。

冷凍すると香りが出るという話しもあったが、ブヨブヨになっただけだった。

米は熟成するやつとしないやつが出たが乾燥が激しく、水分が吸われる。

バターはブヨブヨにならず香りが出たが子実体からは香りが出ずバターにだけ香りがついた。  

とりあえず完熟イボセイヨウショウロもバターに絡めれば長期保存は可能かもしれない。

俺がベストだと思う完熟イボセイヨウショウロの保存方法は

香りが出たものをスライス→オイルに漬ける→60〜70度で1分湯煎→冷蔵

これでイボセイヨウショウロの香りが3年持ったのだ。

おそらく他のトリュフにも応用可能だろう。

もし良いイボセイヨウショウロの熟成方法があったら教えてもらおう。

語るがいい。

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