島ミカン、その種類と活用。

島ミカン、その種類と活用。

ミカン、それはこたつと共に日本人には欠かせないもの…

うちこたつないけど。

そんなミカンの話をしていこうと思う。

いや、そんなミカンの中でも古代に渡来し、日本の南西諸島に根付いた島ミカンたちの話だ。

奄美大島で単純に島ミカンと呼ばれるものには2系統あり、片方は通常のミカンとサイズが変わらず、もう片方はピンポン玉サイズである。

どちらの系統も華やかなな高級感のある柑橘香を持ち、いわゆるミカンと呼ばれているものとはかなり香りが異なる。

脳に直接香るような香りだ。

ただ、ピンポン玉サイズの小さい系統は香り高い上に小さいがゆえか味が濃い。そして甘味も強いのだ。

俺はこの小さい系統を極みかん(キワミカン)と名付け栽培しているが、冬になると葉が黄色くなるため、やや寒さに弱いのかもしれない。

そして成長が遅く、3年で6センチにしかならなかったので、スイングルシトルメロに接いだところマトモに成長するようになった。

いずれ柑橘の品種改良に利用したい。

オートー(オウトウ)

与論島がなまってオウトウなどと呼ばれるようになったとされている。

シークワーサーの改良種だとされ、果肉の食感が良いところはシークワーサーに似ている。

様々な島ミカンの特徴があるが、皮に甘味があり苦味が少ないため皮ごと食べることもできる。

じょうのうが柔らかく、果肉の食感が良く伊予柑に近い味のバランスがある。

種子に透明感があり、中身がすけて見えるのも特徴。

コウブツ

オウトウと同じく皮ごと食べることもできるが、やや苦味がある。

白く綿状のアルベドがあり、ミカンというより雑柑類に近い特徴がある。

面白いのは味が完全に文旦なのに文旦特有のボンタン飴のような香りは持たない。

コウブツを文旦と比べるとアルベドが薄く、果肉が黄色い

そして文旦は単胚性種子だが、コウブツは多胚性種子である。

大紅ミカン

かつて沖縄などで商業的に栽培されていたという濃い味とパワフルな香りのミカン。

色が赤くなるのが美しい、

伊予柑の親になったことでも知られているが、味もよく似ている。

喜界ミカン(カブチー)

喜界ミカン、これはなかなかに面白い種類で、おそらくミカンではない。

甘く酸味が全く無く、果肉は紅まどんなよりもゼリーのような食感。

単胚性であること、酸味が全くないことから、沖縄でタニブターと呼ばれるタチバナの1種ではないかと俺は思う。

一般にタチバナと呼ばれるヤマトタチバナは多胚性種子だが、沖縄のリュウキュウタチバナは単胚性種子だという。

そしてタチバナは樹勢が強く成長が早いため柑橘の台木に利用されることも多い。

島ミカンを複数栽培すると、喜界ミカンだけが異様に成長が早いのはタチバナの1種だからとも言える。

味に関して言えば、タニブターとは酸味の無いリュウキュウタチバナのことで、無酸タチバナとも言われるようなので、喜界ミカンが全く酸味を持たないのは無酸タチバナであるからと考えて間違いないように思う。

糖度が9程度しかないため、なんとか栽培方法か品種改良で糖度13にまで上がればかなり価値のある作物かもしれない。

シークワーサーと共にノビレチンを多く含むとされるため、健康機能性でも利用価値があるだろう。

クンサーラ

多分くっせえなという意味の名前だと思う

なぜならクンサーラは消臭剤並みに強いラベンダーの香りがあるからだ。

味に特徴はないが、糖度が8〜10程度であっさりした味である。

根が強いため、古くは台木用によく利用されたようで、離島の古いクンサーラの木には他の品種が接ぎ木されていることも多いという。

交配に利用して甘味をつけるか、酸味のある柑橘と交配してラベンダー香る香酸柑橘にするか

利用価値はなかなか有りそうな予感はする。

実はクンサーラの実生苗を購入したところ、まだ発芽して1年しか経ってないだろうに花が咲いた。

柑橘は実生から開花まで時間がかかる事で知られるが、コイツは小苗から咲いたのだ。

異様、そしてよく観察するとレモンやメキシカンライムのような赤い花だった。

ん?クンサーラか?と思い問い合わせたところ、クンサーラは白花であり近くにライムが植わっていたと。

そして果実は肥大しなかったが、子胞はライムやレモンのような形をしている。

おそらくライムそのものか、クンサーラとライムのハイブリッドであるため、ひとまずクンサーライムと名付け栽培している。

もしクンサーラの香りを受け継いだライムになったとしたら熱海の変態柑橘マニアの人

https://twitter.com/M_Nishikiori?t=8EB6w08nZ5zeuvYknO719g&s=09

にでも栽培してもらおう。

エビクリームパスタにレモンの皮をいれるとクソ美味いが、島ミカンはどうだろう?

みんなもそう思っただろう。

だから食べ比べてみた。

大紅ミカン

レモン並みに美味い、強い柑橘の香りがある。

シークワーサー

これはミカンらしいミカンの香り、なかなか美味い。

喜界ミカン

美味いが存在感はない、ほんのり風味をつけるならアリ

オウトウ

果皮の甘味がダントツで味が良い、香りはシークワーサーに近いがよりシャープなので料理に合わせやすい。

オウトウは料理人のミカンとしても良さそうだ。

コウブツ

香りはほのかだが食感がジャキジャキして良い、コショウにあう香りなので肉と合わせても面白い。

島ミカン

これは素晴らしい、パスタに高級感が出る複雑な甘い香り。

皮だけで販売しても良いレベル。

冷凍果皮とか良いかもしれない。

スイーツにも使えそうだ。

クンサーラ

ラベンダーだから大丈夫かなぁ

と思ったがこれがなかなか美味い。

ムール貝やカキなどややクセのある貝類を殴って黙らせることができるような香り。

ペスカトーレビアンコなどに良いかもしれない。

いずれ日本中の古い柑橘や野生の柑橘を調査してみたいところだな、それにより今の日本の柑橘業界を震撼させるような品種を作りたい。

かもしれない。

柑橘は場所と時間がかかるからそれ次第やな。

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